独り立ちの時機をめぐる二つの道
ある程度の年数が過ぎてくると、独り立ちをいつにするのかという問いが誰の前にも必ず現れてきます。早く自分の場を持ちたいと考える人と、長く修業を続けたいと考える人とで、道が分かれていくことになります。
早く独り立ちする道には、自分の考えをすぐにそのまま形にできるという分かりやすい良さがあります。その一方で、店を回すために決めることの多さや責任の重さも、一度にまとめて引き受けることになります。
長く修業を続ける道では、その分だけさまざまな現場を見て、引き出しを着実に増やしていくことができます。判断を任される場面も年ごとに少しずつ増えていき、自分の力が静かに確かに積み上がっていきます。
これはどちらが正しいのかという話ではなく、何を先に手に入れたいのかという順序の違いになってきます。順序が違っているというだけのことで、最後に行き着く先まで大きく変わるわけではないようにも思われます。
どちらを選ぶかを決める手がかり
選ぶための手がかりとしてまず挙げられるのは、自分が何をしたいのかという中身の明確さになります。作りたい形が自分の中ですでにはっきりしている人ほど、早い時期での独り立ちが向いているようです。
もう一つの手がかりは、店を回していくための日々の仕事をどこまで引き受けられるかという点です。仕入れや人の手配まで含めた仕事は、料理を作ることとはどうしてもまた別の種類の力を必要とします。
相談できる相手が身近にいるかどうかも、時機を決めるうえで大きな意味を持ってくることになります。先に独り立ちした人の話を聞ける関係は、そのとき思っている以上に大きな助けになってくれます。
専門学校で学んだ資格に向けた知識は、どちらの道を選んだとしても確かな土台として働いてくれます。料理人としての基礎がしっかり整っているほど、後になってからの選び直しもいつでもしやすくなります。
まとめ
独り立ちを急ぐ道と長く修業を続ける道は、対立しているようでいて、実際のところは順序の違いにすぎないようです。どちらを先に選んだとしても、その後に足りないものを補っていくための十分な時間は必ず残されているはずです。
決めるための手がかりは、作りたい形の明確さと、料理以外の仕事をどこまで引き受けられるかという点にあります。相談できる相手を身近に持っているかどうかという点も、時機を測るうえで見落とすことのできない大切な要素です。
急いだ人が損をするわけでもなく、待った人が遅れを取るわけでもないというのが、どうやら実際のところのようです。自分の順序を自分の意思で選び取れたという実感こそが、その後の日々を長く支えてくれるのだろうと思われます。料理人の専門学校のことならこちら