先に決めておきたい伝える順番
厨房で手を切ってしまうという場面は、どれだけ気をつけていたとしても起こり得ることだと考えられます。だからこそ、実際に起きたときに何をどの順で行うのかを、あらかじめ決めておきたいところです。
最初に来るのは、いま進めている作業をいったん止めて、その持ち場を離れるという判断になってきます。そのまま続けようとする気持ちが働きやすいからこそ、止めることを一番目に置いておきたいのです。
次に来るのが、その場にいる責任者へすぐに伝えるという段取りになると考えられているようです。伝えるのが遅れれば遅れるほど、店としてのその後の対応や段取りの組み直しが後手に回ってしまいます。
三つ目に置いておきたいのは、自分が担っていた持ち場を誰が引き継ぐのかを決めるという点になります。役割の入れ替え方を普段から話し合っておけば、その場になってから慌てずに済むようになります。
厨房として備えておくもの
厨房として備えておきたいのは、誰が見てもすぐに分かる場所に、必要なものをまとめておくことです。置き場所が人によって違っていると、必要になったときにその都度探すところから始まってしまいます。
連絡の道筋を紙に書いて貼り出しておくと、その場に居合わせた誰もが同じ動きを取れるようになります。責任者がいない時間帯には誰へ伝えるのかというところまで決めておくと、抜けが生じにくくなります。
起きたことを短く記録に残しておくという習慣も、店として備えておきたいものの一つになってきます。どの工程で起きやすいのかが見えてくると、道具や段取りの見直しへと自然につながっていきます。
専門学校では、料理人として現場に立つ前に、こうした決まりごとの意味もあわせて教わることになります。資格に向けた学びの中で扱う内容も、現場での段取りと地続きにつながっているものだと言えます。
まとめ
手を切ったときにどう動くのかという順番は、起きてから考えるのでは遅く、先に決めておきたいものになります。作業を止め、責任者へ伝え、持ち場を引き継ぐという並びを共有しておくと、その場での迷いが消えていきます。
備えとして何より大切なのは、物の置き場所と連絡の道筋を、誰にとっても分かる形にしておくことだと言えます。人によって動きが変わってしまうという状態を店に残しておかないという点が、結局は何よりの備えになってくれます。
決まりごとがあることによって、働く人は安心して手を動かせるようになり、店の流れも保たれていくことになります。備えを整えておくというこの地味な作業こそが、日々の仕事を目立たないところで静かに支えてくれているのだと思われます。